普段着着物に必要な物ぜんぶセット

気軽なふだんのお出かけに着られる「普段着着物」を今すぐ始めるべき、という主張を以前にしました。

今回は実際に「普段着着物」に必要なモノを簡単ながら紹介しようと思います。とりあえずこれさえあれば普段着着物デビューできるよ、という内容です。

が、「これさえあれば」が意外といっぱいだった!!!笑 

でも大丈夫、だいたいが代用品でどうにかなります👍 

ちなみに、以下の記事内容にプラスして最初だからこそレース羽織(トップ写真左のコーデで羽織ってるあみあみのカーディガンみたいなやつ。サイズ小さいけどお気に入りの一枚。)なんかも一枚用意するのがオススメなんですが、めちゃくちゃ長くなってしまうのでそれはまた今度…

目次

普段着着物に必要な物ぜんぶセット

着物の礼装を着付けてもらうと5000〜15000円くらいかかっちゃう。普段着だもの、多少崩れてもいいから自分で着るよ。

「普段着着物」に必要になるのは、

  1. 見えている部分の着物一式
  2. その下にある下着類
  3. それらすべてを身につけるための着付け道具
  4. 履物
  5. 着るぞという意志

以上の5つです。

意外にも、この中で一番重要なのが最後の着るぞという意志。知識や技術がなくてもこれがあればその辺は後からついてきます。

というのも、意志さえあれば自然と自分で情報収集をしていくため、実際に身に付ける物も次々と上手に見つけられ、すべてが手元に集まってくるんです

なので、まだ何も買っていない、知識もない、という人も安心して読み進めていってください。着るぞ、着たいんだ、という気持ちを持っていればあとは自然に追いついてきます

何が必要かわかっていればいざという時すぐ動けますから、今はまだ手元に着物がなくても、知っておくことに無駄はありませんよー👘

着物一式

まずは、目に入ってくるいわゆる「着物」の要素から。ここからは物の紹介なので予算と代用品、適当な物があればオススメアイテムも合わせて書いていきます。

おうちにあるならタンスの中にある着物を、ないならリサイクル着物屋さんやメルカリなどでしばし物色するのがオススメです。

着物ショップ系は個人的に好きなところがいっぱいあるから、近いうちにまたまとめますね。

着物

1から仕立てたら3万円からのスタートだけど、仕立て上がった物を探せば格安でゲットできるのだ。

予算:最安500円〜上限などない

長着」とも言います。いわゆる着物。値段は出せば出すほど良い物が買えますが、高い品が自分が着やすい服とは限らないので、サイズがあって好きな物を選ぶのが一番。

特にリサイクルの場合は品質よりもサイズ(身長160cm以上対応の品が少ない)で値段が変わるので、一定の価格帯までは値段が上なら良い生地や仕立てというわけでもありません。私も2000円で買った紬がめちゃくちゃ着やすくて、手持ちで一番着ているかもしれません。

ご予算は、安さを追求するなら数百円から。4000〜8000円くらい想定しておけばある程度の幅を持って選べます。お洋服の古着屋さんと同じ感覚ですね。

近所にないよ〜!とか、とにかくひとまず欲しい!という人にはこういうモダンな浴衣もオススメ。大柄すぎない物や色が今っぽい物、つまり浴衣っぽい柄ではない物を選べば木綿着物として通年楽しめます。


初心者や普段にオススメの帯は半幅ですが、普段着着物なので実際はお好みでどれでも。これはちょい気合の入ったコーデなので袋帯で銀座結び風。

予算:最安500円〜上限などない

帯と一口に言いますが、その中でも袋帯・名古屋帯・兵児帯・半幅帯の種類があります。

よく見る背中に箱を背負ってるみたいなスタイルは、袋帯、あるいは名古屋帯お太鼓結び。この2つはリサイクルに出回る数が多いので、古着で探すならこの2つは安く探しやすいです。ただ普段締めるにはちょっと面倒。

兵児帯はふにゃっとしたタイプの太くて(袋や名古屋と同じ)長い帯、半幅帯は他の帯の半分の細さになっている手軽な帯。どちらも着物、浴衣両方に合わせられるし、軽くて動きやすく、普段着に最適。最初なら個人的には特に簡単な半幅帯を推します。が、あまりリサイクルに出ていないので、逆に高くついちゃう場合があるのが難点。

予算はピンきりですが、リサイクルなら3000円くらいで一応どうにかなります。

もし好きな布があるなら、その裏に芯地貼って4mくらい縫ったらそれで半幅帯はできちゃうので、ミシンで自作も素敵ですね。

帯揚げ・帯締め

ズラして締めた半幅帯に黒レースの帯揚げ&赤黒ツートン帯締め。

予算:安物なら1000円〜上限などない

帯揚げ・帯締め、どちらも帯でお太鼓結びなどをする際に使う物。帯揚げは帯結び位置固定の補助、帯締めは帯結び自体の要・支えとして機能します。どちらも半幅帯の際には不要ですが、好みで使ってもそれはそれで可愛い。

この2つは「着物用品」じゃなくて全然大丈夫です。帯揚げは帯結びアイテムを隠すためのきれいな布ならなんでもよし。帯締めは強く物を締められて布を傷つけないものならなんでもよし。

帯揚げならスカーフ、帯締めならスニーカーの靴紐などを代用で使う人はたくさんいます(私もやる)。

長襦袢(または半襦袢)

これは二部式の長襦袢。要は半襦袢(上川)と裾よけ(下側)がセットになった物。

予算:3000円程度〜2万円くらい

着物で襟元に見えている部分を「半襟」と言いますが、それがくっついている下着的な物を「長襦袢」といいます。

着物とほぼ同じ形ですが、身長と同じくらいの引きずる丈の着物に対し、長襦袢は羽織ったらそのままで裾がくるぶし上くらいの短さです。袖から長襦袢の布がチラチラ見えるので、着物とのコーデを楽しむポイントだったりします。

ワンピース型である長襦袢はガンガン動くと着崩れやすいので、普段着なら上だけタイプの「半襦袢」もオススメ。中でもお袖が筒タイプの物は、安い上に裄丈(袖の腕の長さのとこ)を気にしなくていいというスグレモノです。個人的には最初は半襦袢で慣れていくのが財布にもいいのではと思ってます。

もちろん普通の長い長襦袢も、安くて可愛い物がたくさんあります。ただし安物はだいたい静電気がすごいので、口コミとか見てある程度人気のある物を選ぶようにしたいところ。これ↓は使いやすくて安くてオススメ、普段用なら通年使えるし私も3色持ってますw


逆に正絹でお仕立てしても普段着用なら込み込みで2〜3万円どまりが適正価格だと思います(お店によるけど)。

なお、洗える着物の場合は浴衣として着て長襦袢は丸ごと省略するという方法もあります。初夏〜晩夏の間で長襦袢がないんだよな〜という時はぜひお試しください。

着付け道具

予算:代用品で済ませたら数百円〜新規で買うとぜんぶで5000円程度かな?

ここまでに登場した物を身につけるためには、紐・クリップ・帯板・帯枕・衿芯・伊達締めなどが必要になります。ちょっと細々していますが、それぞれほぼ小物なのでご安心を。

ちなみに、帯結び用のよくわからん器具とかは普段着には要らないです(礼装にも要らないと私は思う…)。普段着は特殊な道具を使って着る服装ではない! 普段着なので!!w

あとは、胸やお尻の凹凸がはっきりしたナイスバディの方は体型補正の必要があるかもしれません。ただ、それも何度か着てみての調整でいいんじゃないかなと思います。

試着してみたら胸が帯に乗っかってきちゃうとか、くびれがすごくて帯が落ち着かないという場合は、胸の下や腰にタオルを挟んで段差を減らすなどしてみてくださいね。まぁ…着物の体型補正はつまり、コスプレで男装とかでやってる作業と似たりよったり、です…!

家によくあるタイプ。紐の面で押さえるように使うと安定します。

紐はポリだと滑るから、買う時はモスリンが使いやすいと思います。

着物の着付けで絶対いるのは。胸元で締める物を「胸紐」、腰で締める物を「腰紐」と呼びます。(でも売り物はたぶん全部「腰紐」という名称…)

着物は何箇所か紐で固定して形をキープしているので、とりあえず本体に装着する用に3本+帯を締める時に道具として使うために1〜3本、合計で5本前後は必要です。

かつ、着付け中とかすぐどっかいっちゃうから、余分が数本あるとさらに良し。家にお着物がある場合は絶対一緒に入っているので探してみてください。

なければ、胸紐なら包帯で代用などもアリです。長さと幅のある滑りすぎない紐なら何でも大丈夫。ただ、腰紐の一本だけはしっかり強く締められる物を使ってくださいね。

ちなみに、着物でよく使われる「コーリンベルト」はクリップ式&ゴム紐の胸紐代用アイテム。衿にクリップを留めるので襟元が紐より崩れにくいとされていますが、わざわざ買わなくても紐だけで着て全然◎ 

クリップ

大きめサイズ3個セットなら、デザインで変わりますが1000〜2000円ほど。

クリップは帯結びの補助用に2つほど、帯の「結び」の代用として使う場合には小さい物も一つ必要になります。

サイズは大小ある方が便利なので、どうせなら最初にサイズ違いセットで買う方が早いと思います。

着物の着付け用クリップは布地を傷めないクッションがあり保持力が高い造りになっているため、できればそれで1セット用意しておきたいところです。が、なければおうちの強力洗濯バサミとか大きいクリップで代用可

もし文具クリップを流用する際は、布を傷つけないように間に柔らかい布やクッションシートを挟んで使ってくださいね。

なお、楽ちん帯結びの際は、小さいサイズの着付けクリップを根本に留める、結ばないズボラ留めの方法もあります…ご参考までに…

帯板、帯枕

上が帯枕、下が帯板。帯板は写真の一枚タイプよりも紐付きタイプの方が初心者には扱いやすいです。

帯板・帯枕は、帯を形作るための物。だいたい実家に写真のようなピンクのやつが1つか2つ転がってます。

帯板は前腹に入れて帯がシワシワしないための物。ない場合はボール紙とかクリアファイルを切って入れればOK(紙は湿気ちゃいますが)。

帯枕はお太鼓結びなどをする際にお太鼓の上辺を支えるための物。これもなかったらストッキングなどにタオルやスポンジなどの支えになりそうな「枕」を入れて代用できます。

個人的には今後も着る予定があるなら最初からここの物がおすすめ…! たかはしきもの工房アイテムは裏切らない! 私は帯板も帯枕もここの物を愛用中。

衿芯

折れ曲がりやすいので保管の際はゆるく巻いて留めておきましょう。

長襦袢や浴衣はそのまま着ても襟がフニャンと寝てしまうので、襟の中に入れてシャンとさせるための物が「衿芯」です。

2枚セットで数百円なので自作するより買った方が早いです。白くてしっかりした物が良さそうに見えますが、実際は透明でぺらっぺらの安〜い物の方がオススメ。コシ強いと襟が浮きやすいので、ペラ衿芯の方が綺麗になじみます。

ちなみに、折りたたんだコピー用紙を差し込んで使う玄人もいます。ただ、これは酸いも甘いも噛み分けた人じゃないと加減がわからないと思うので、やっぱり衿芯は新しい物を買った方がいいかな…慣れて好みがわかってきたら、コピー紙衿芯にもぜひチャレンジを。

伊達締め

伊達締めは長襦袢に一枚、着物に一枚と言われてますが、真面目にぜんぶ巻くと多分かなりしんどいです。

伊達締め」は、胸紐の上からさらに押さえるための帯状の布。正直、普段着ならなくてもセーフだと思います。一本、一枚でも締める物を省く方が体は楽です。

でも慣れるまではどうしても紐周りがモコつくので、着物だけでも使う方がさっと着られるかも。あと胸がある人、お腹まわりがダブつく人も着物の上には使った方が着やすい。なので、なくても着られるけど、とりあえず一枚あると良いかなと思います。

普段着の際、私は実は完全に省略してます。たまに使う時には逆に胸紐を省略して、まとめてメッシュゴムタイプの「すずろベルト」で留めちゃいます。

なお、これ↓はストレッチ&マジックテープ式で伊達締めに使える「すずろベルト」。和装系コスの時にも便利に使えるので、買って損はない。と思う。だいたい1500〜2000円くらいです。

下着類

予算:ユニクロとかで済ませたらぜんぶで5000円〜1万円程度

肌襦袢・裾よけ・足袋、これは洋服で言えばスリップ(て今言うの?)・ペチコート・靴下に該当する物です。専用の物を揃えるとこれが意外にお高い! でも普段着着物だから、洋服兼用の物を引っ張ってきても大丈夫ですよ。

肌襦袢

これじゃないとダメな理由がとくにないので、わざわざ買う必要はないと思います。

必須!みたいな感じで必ず着付けで必要なアイテムに肌襦袢が登場しますが、単に長襦袢が汚れにくいように着る下着のこと。

なので、上は普段と同じインナーTシャツやキャミなどで良いです。汗を吸ってくれて、ある程度汗ばむ箇所に布がくる丈の袖丈がオススメ。下半身は次の裾よけで登場するステテコでOK。

なお、着物は襟首が大きく抜けるため、普通のTシャツなどを着るとインナー襟が丸見えになります。前後が大きくU字になっている物を選ぶか、手持ち便なければ前側がUになっている物を普段と前後逆に着用してください。

裾よけ

意外に着物の下半身は光で透けるので、これがないと股間〜美脚のシルエットを人様に見せつけることになってしまいます。

着物って長くて四角くてロングスカートみたい。その下に履くペチコートみたいな物が「裾よけ」です。

これは長襦袢ありの普段着ならなくても良き〜という感じなんですが、半襦袢着用の場合は下半身防御が心もとないので、着物の汚れ防止と露出対策を兼ねて必ず履きましょう

足さばきや汗吸いのための下着になるので、ふつうのペチコートをお持ちならそれで大丈夫。ステテコでも◎ 私はもも周りにも布が欲しいタイプなので、個人的には通年ユニクロのメンズのエアリズムステテコを愛用しています。薄手でかさばらず、無地で扱いやすく、安い。

裾にレースとか自分で付けるとチラ見えしても可愛いです。

足袋

和装アイテムは作られている数が少ないから、洋装アイテムに比べるとちゃんとした製品はどうしても高くなってしまうのがネック。

足袋は、草履や下駄を履くための靴下。

これ、合わないのを履くと不快感がすごいから、自分の足にあったそこそこ良い物を使ってほしいんですけど、そうすると「たかが靴下のような物に何千円」ってなってきちゃいます。

なので、ガチで着るのが自分でわかるまでは、とりあえずタビックスとか、5本ソックス+足袋カバーとかでいいと思います。

足袋ソックスなら100均でも売ってるし、足袋カバーも可愛くて安いのいっぱいあります!

草履

これがカフェ草履。スニーカーみたいな気軽さで軽やかにお出かけできるお草履です。老舗の岩佐の草履も同じテイストですが、買いやすさで言うとやっぱりカレンブロッソかな?

私の初代カフェ草履はもう5年目で、正直けっこう汚れてきてるんだけど全然壊れないしまだまだ快適。買い替えのタイミングを見失うくらいには長持ちです。

予算:2000円〜2万円くらい

外に出るには履物が必要なのでお草履が欲しい。

ですが、なくてもヒール靴、ブーツで代用全然OKです。洋装ミックスでのヒールやブーツコーデはよく見かけます。スニーカーは初心者にはちょっとハードルが高いんですけど、慣れてガンガンに着崩せるようになったら、中にパーカー、足元にスニーカーというのもすごく可愛いです。

でもね、最初はお靴で洋装ミックス最高〜って思うんですけど、お草履ってやっぱり素敵なんですよ。ただ、長く履ける快適なお草履って、ちゃんとした靴の値段しちゃうので、いきなり買うには高い。

そこで最初はウレタンフォーム草履とかを2000円くらいで買うのがオススメです。そこそこ履きやすいし、なにせ安い。

安くてもいいので痛くならない草履で何度かお出掛けしてみて、着物とは長い付き合いになるなフフフ…と思えたら、そうしたらぜひカレンブロッソ(菱屋)のカフェ草履をお試しください。取扱店が多く、廉価版で1万ちょい、通常アイテムが1.5〜2万くらいの価格帯になります。

家にある古い草履だけはそのままの利用はオススメできません。履いた途端に劣化でボロボロしてきたり、鼻緒が細くてキツくて拷問アイテムみたいな物がたくさんあります(10年以内で鼻緒がふかっとした草履ならセーフかも)。

自力で着る意志と力

予算:0円

着物を着るのは難しい、と皆が思っていて、「浴衣とだいたい一緒ですよ」って言うと「またまた〜!www」と返されるんですが、まじでだいたい一緒です。

だいたいじゃない部分は、中に長襦袢が余分に一枚入る、それくらい。しかも長襦袢の方が簡単なので、本当のまじで浴衣とほぼ同じ。

だから、普段着着物生活に必要な自装力は、イコール着たい気持ちと手を動かす意志の力。実際の着付けのテクよりこっちの方が大事です。

最初にも書きましたが、知識や経験は後からちゃんとくっついてくるので今ぜんぜんわからなくても大丈夫。

普段着としての着物なら、YOUTUBEで「着物 着付け」で検索し、動画に合わせて何度かさらえば必ずどうにかなります。着付け動画はたくさんあるので、その中から好み・相性にあったものをいろいろ試してみてください。(これは、いつか自分でも自己流のものを紹介できたらいいなぁとは思ってますが…できるかな…)

 でもな〜不安なんよ〜〜〜という方には着付け教室も実際はおすすめ。私も数年通い続けましたが、やっぱり最初は習うより慣れろと言いつつ、慣れるには習うと早いんですよね。

ただ着付け教室は選び方や心構えというものが絶対に必要なので、これも別記事で真面目に紹介したいです。下手なところに行って何十万もする帯を買わされないようにするために……!

着物着付け道具、まずは代用品で試してみてから必要に応じて買い足していこう

安い「着物着付け道具○点セット」などもあるんですが、数回でやめるなら無駄になるし、長く着るなら結局後で買い直すしで、この手の商品の購入はその場しのぎの無駄遣いになりがちです。

なので、まずはお気に入りの着物類を用意し、着付け道具はある物と代用品で試してみてから必要に応じて買い足していくのが良いのではないでしょうか。

具体的に、コレは買うべき! 私はこれ愛用してます!! という物も紹介したいので、また個別でまとめたいと思います。ひとまずはこんなもんだよということで。

わざわざ買わなくても身近にある物が使えるので、それでじゃんじゃん普段着着物に挑戦してみてくださいね

Pass it on!
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